ディスプレイの印刷代についての話です。化粧品什器製作の際には、平もののチラシやパンフレット、ポスターに比べて、印刷サイズがかなり大きいです。ハンガーやカウンター什器は組立ててしまうとコンパクトになりますが、印刷は組立てる前に行うものです。折り鶴をほどいて行くと一枚の正方形の紙になるように、ディスプレイも平たく大きな紙を折り曲げて、接着してできています。
 この際、気をつけなければならないのは「紙の大きさ」と「印刷機の大きさ」です。化粧品什器制作では強度が必要なため、「板紙」という種類の厚紙が使用されます。多くの板紙は、下記の2種類の用紙サイズが用意されています。
1)K全判:940mm×640mm
2)L全判:1100mm×800mm
紙の種類によっては、菊全(939mm×636mm)もしくは四六全(1091mm×788mm)しかない場合もありますのでご注意ください。
印刷機も紙の大きさで用意されており、K全よりもL全の方が印刷代が高くなります。余談ですが、L全判機は通常のSPツールでは使用しないため、機械を持っていない印刷会社も多くあります。その場合は印刷会社自体も外部発注を行いますので、直接頼むより高くなります。L全のサイズを印刷する場合は、「そちらで機械をお持ちですか?」と確認した方がいいかもしれません。

 印刷代=枚数と認識している方が多くいらっしゃいますが、化粧品什器制作は通常の印刷に比べて極端に印刷数が少ないのがほとんどです。チラシやパンフレットなどは数万、数十万が当たり前ですが、化粧品什器は少ないと100以下、多くても5,000台を超えることは稀です。

 この場合、金額に多く関わってくるのは「使用する機械の台数」です。
極端な話ですが、100枚印刷するのと500枚印刷するのでは、最低ロット過ぎて総額はほとんど変わりません。しかし、K全1台で1,000枚印刷するのと、L全2台で100枚ずつ印刷するのでは、後者の方が倍以上の印刷代となります。
枚数が少なすぎて「枚数でのカウント」よりも、「機械占有の固定費」がほとんどになってしまうからです。

 とにかくコストを抑えたいときには、印刷サイズをなるべく小さくすることです。しかし、このことを知っている(当然印刷会社は知ってますが)デザイナー、広告営業は意外と少ないです。デザインを面付けしてみると、どうしても後少しでK全に入らない。POPパーツがはみ出してしまう。
 そんなとき、「このPOPパーツは別パーツではなく、カットアウトでいいか」とデザイナーに聞くと「どちらでもいい」と言われることが多くあります。彼らにとってはどうでも良い、小さいことかもしれませんが、それだけで数十万円のコストダウンにつながることも少なくありません。
多少ネタバレになってしまいますが、「デザインを少し変更してでも、サイズを小さくする」ことが、大幅なコストダウンにつながることもあるということ、覚えておいて損はないです。
 そして当たり前ですが、印刷会社からはその提案はほとんどありません。自ら売上を下げてしまいますから。
もし取引のある印刷会社の営業マンからその提案があったなら、顧客志向が非常に強い営業マンと言えます。

私ですか?私はそんなことをクライアントには聞きませんよ。