前回に引き続き、ディスプレイの製作費についてお話しします。今回は「ハード費用」について。一度にまとめると長くなるため、段階ごとに区切っていきます。

■校正代
化粧品ディスプレイの制作において、必ず必要なのが「校正」です。文字の確認もさることながら、「タレント・モデルの顔色」「商品の色」「色玉の色」「モデル使用色の色」の調整が、非常にシビアだからです。プリントアウトやPDFの確認で終わらせてしまい、本番の印刷が仕上がってみたら全く色が違ったなんてことは少なくありません。特に化粧品は、販促物の色次第で店消が左右される事もありますので、重大です。
スケジュールが逼迫していない限り、校正は「本紙(本番と同じ紙質・厚さ)」「本加工(ニス・PP・プレスコートなどの表面加工)」の条件で、なおかつ2回は出力する事を勧めています。化粧品関連で、1度で色がバッチリ来る事はほとんどないからです。 できる限り本番に近い状態で確認しないと意味がありませんから、紙質・表面加工は必ず本番と同じ条件で行うことが必須です。紙の種類によってそもそも「白さ」に差があり(白自体が青っぽかったり、気味を帯びていたり)、加工のありなしでも相当色味が変わります。一般的には、PPをかけると5%ほど赤みが濃くなると言われています。
しかし、私たちも常にいろいろな紙を常備している訳ではありませんので、紙の手配、加工の手配に多少時間がかかります。「今日入稿したら明日出ますよね?」と言われる事が多くありますが、それはコート紙などの洋紙でチラシ印刷などの場合です。板紙の場合、工程が多く、紙も大きいので層簡単には行きません。
ディスプレイ用の板紙の場合、まず紙の手配に1日、校正刷りに1日、表面加工に1日見ていただけると助かります。。。。

 また、前述の通り、化粧品において一発OKはほとんどないので、色味の修正が必要になります。データそのままでNGということなので、元のデータの色味を加工しなければならず、実はこの技術も非常に重要なのです。印刷の出力機の性能というより、「データの加工技術」が化粧品ディスプレイの仕上がりを支えています。なかなか注目されませんが、データの加工技術が低い製版所に任せてしまうと、何回出しても色味が直りません。化粧品に慣れている製版所の選別が、隠れた必須条件でもあります。

最後に。
「なんで校正と同じ色が本番で出ないの?何のための校正?」
というご指摘を受ける事があります。おっしゃることは非常によくわかりますが、データは同じでも使用しているインク、出力機、印刷方法が平台校正機とオフセット印刷機では異なるため、どうしても少しのずれは生じてしまいます。この差を埋めるためには、「本機校正」というものも存在します。校正機ではなく、本番と同じ印刷機で数枚刷ってみるという手法です。しかし、印刷機を本番と同じ条件で稼働させますので、時間・コストにおいて校正機を遥かに上回ってしまうため、現実的ではありません。事実、私も選択肢としてはありますが、実際に本機校正が必要に迫られた事は一度もありません。
ですから、校正機出力でOKをいただいたものに極力近づけるため、弊社では担当営業による印刷立ち会いを基本条件にしております。校正出力と、本機印刷の差を少しでも縮めるため、営業が立ち会って最後の印刷調整をシビアに行っています。
極力ご要望の色味に近づける努力は絶えず行っておりますので、仕上がりの色味に関しては、少し温かい目でご判断いただけると大変光栄でございます...